黒い絵・こわい絵ばかり描く子ども|心配いらない理由と、見ておきたいサイン
黒いクレヨンで塗りつぶした絵や、お化け・戦いのこわい絵が続くと心配になります。発達の途中でよくある理由と、気にかけておきたい3つのサイン、否定しない聞き方を紹介します。
「またこんな絵……」。黒いクレヨンで塗りつぶした絵や、こわい顔・戦いの絵が続くと、心配になりますよね。
でも、こうした絵の多くは発達の途中でよくあることです。心配しなくていい場合と、少し気にかけておきたいサインの違いを整理します。
黒い絵・こわい絵は、よくあることです
強いもの・こわいものへの興味は、2歳から6歳ごろによく見られます。怪獣やお化け、戦いの絵を描くのは、「強さ」や「こわさ」への好奇心の表れであることが多く、絵本やテレビ、友達との会話から影響を受けていることもよくあります。
黒や暗い色を選ぶことも、それ自体が不調のサインとは限りません。色の好みが移り変わる時期の1つとして、黒に興味を持つ子どももいます。
- 「かっこいいから描いた」と答える → 好奇心からの表現。 本人に聞くと、達成感や「うまく描けた」という気持ちを話すことがあります。
- 絵について楽しそうに話す → 心配のサインではない可能性が高い。 絵を描いている間の様子や、話すときの表情も見てみましょう。
- 色や題材が数日〜数週間で移り変わる → 一時的な関心。 ずっと同じテーマが続くわけではないことが多いです。
無理に絵を止めさせたり、明るい絵に描き直させたりする必要はありません。「どんな絵を描いても大丈夫」という空気があることの方が、子どもが気持ちを表現しやすくなります。
気にかけておきたい、3つのサイン
一方で、次のような様子が重なるときは、絵だけでなく生活の様子も合わせて見ておきたい場面です。
- 同じこわいテーマが何週間も続き、他の絵をほとんど描かなくなった。 題材が移り変わらず、ずっと同じ場面や人物にとどまっている。
- 絵について聞くと、表情がこわばる・話したがらない。 楽しそうに話せる絵と、様子が違う。
- 食欲や睡眠の変化、友達を避ける様子など、生活面でも変化がある。 絵だけでなく、日常のいくつかの場面で同時に変化が見られる。
今日は、絵を見て終わりにしても大丈夫。 気になっても、その場で理由を問いたださなくてかまいません。
声をかけるなら、否定しない聞き方で
絵の内容を否定したり、「怖いからやめて」と止めたりすると、表現の出口がふさがれてしまうことがあります。気になるときは、絵そのものより、子どもの様子に目を向けた聞き方を試してみましょう。
- 「これは何をしているところ?」など、絵の内容を尋ねる。
- 「描いていて、どんな気持ちだった?」など、気持ちを尋ねる。
- 答えたくなさそうなら、無理に聞き出さず、そのまま見守る。
上記の3つのサインのように、絵以外の生活面の変化も重なって続く場合は、幼稚園・保育園の先生や、地域の子育て相談窓口、かかりつけの小児科など、日頃から様子を知っている人に相談する方法もあります。絵1枚だけで判断せず、普段の様子と合わせて考えることが大切です。
よくある疑問
戦いごっこの絵や、武器を持った絵も心配ない?
戦いや武器をテーマにした絵も、強さへの興味からくる表現の1つとしてよく見られます。他の遊びや会話にも変化がなければ、過度に心配する必要はないことが多いです。気になる場合は、上記のサインを参考にしてください。
家族が描かれていない絵は、意味がある?
家族の誰かが絵に登場しない日もあれば、次の絵では登場することもあります。1枚の絵だけで家族関係を判断せず、何枚か続けて見てみましょう。
保育園や幼稚園の先生に見せた方がいい?
迷ったときは、先生に絵を見せながら「最近、こういう絵が続いていて」と話してみるのも1つの方法です。日中の様子を知っている先生からの情報と合わせると、判断しやすくなります。
次にすることは、1つだけ。 絵を否定せず、いつも通り「見せてくれてありがとう」と受け止めることから。
