AIで作った「ニセの画像・動画」、子どもにどう伝える?親子でできる確かめ方
生成AIを使うと、本物そっくりの画像や動画を簡単に作れます。見た目で見分けようとするより、だれが出した情報か、ほかではどう伝えられているかを確かめる。総務省の教材をもとに、年齢に合わせた伝え方と、広める前に止まる習慣をまとめました。
動物が人のようにしゃべる動画、ありえない場所で撮ったような写真。子どもが「これ本当?」と聞いてくる画像や動画の中には、AIで作られたものも混ざっています。
見た目で見分けようとするより、「だれが出したか」「ほかではどう言われているか」を確かめる。 子どもには、「びっくりする動画ほど、だれかに送る前に大人に見せてね」の一言から伝えられます。
AIで、本物そっくりの画像や動画が作れる
総務省が2025年3月に公表した保護者向けの教材は、ニセ・誤情報がSNSの普及や生成AIの発展によって増えてきていると説明し、生成AIの特徴として、ニセの画像・映像・音声・ニュース記事などを簡単に作れることを挙げています(総務省「5つの分野のICTリテラシーを学ぼう」保護者向け教材)。
同じ教材では、ニセ・誤情報を、意図的に作られたウソの情報(ニセ情報)と、勘違いや誤解から広まった間違い情報(誤情報)に分けています。子どもが見る動画には、どちらも混ざる可能性があります。
見た目より、「出どころ」を確かめる
うまく作られた画像は、大人が見ても本物と区別がつかないことがあります。総務省の教材は、ニセ・誤情報にだまされないための確認の観点として、次の4つを挙げています。
- 情報源はあるか。 根拠となる情報が示されているか。
- その分野の専門家の発言か。
- ほかではどう言われているか。 反論や誤りの指摘が出ていないか。
- その画像は本物か。 関係のない画像や、昔の画像が使われていないか。
画像については、スマホやタブレットなら長押し、パソコンなら右クリックで「画像を検索」し、同じ画像が使われている記事や出どころを調べる方法も紹介されています。
今日は、ここまででも。 「本当みたいでも、作られた画像や動画があるんだって」。今日は、それを子どもに話すだけで十分です。
年齢に合わせて、伝え方を変える
ここからは、総務省の教材の観点をもとにした、家庭での伝え方の提案です。
- まだ小さい子 → 「作られた動画もあるよ」と知らせる。 本物かどうかを判断させるより、「びっくりしたら教えてね」と大人に話せる流れをつくります。
- 小学校低学年ごろ → 1つだけ一緒に確かめる。 気になった動画を見て、「だれが出したのかな」「ニュースや図鑑ではどう言っているかな」と大人が声に出して調べて見せます。
- 自分で検索できる年齢 → 画像検索を一緒にやってみる。 長押しで画像を検索し、元の写真や別の記事が見つかるかを試します。
どの年齢でも、見抜けなかったことを責めません。大人でも間違えるものなので、「確かめる方法を知っている」ことのほうを認めます。
送る前、広める前に、ひと呼吸
総務省の教材は、ニセ・誤情報は意外性があったり、人に言いたくなったり、正義感に訴えたりする内容を持つため、共感され広まりやすいと説明しています。実際の例として、2024年の能登半島地震では、SNSに複数のニセの救助依頼が投稿され、それをもとに警察・消防が出動して混乱したことが紹介されています。
子どもが家族や友達に動画を送れる年齢なら、次のことを家庭のルールにしておく方法があります。
- びっくりした画像や動画は、送る前に大人に見せる。
- だれかを悪く言う内容は、本当でも広めない。
- わからないときは、送らずに置いておく。
AIで画像を作れるようになると、子どもが作る側になることもあります。作った画像を本物のように見せて送らない、友達の顔写真を使わない、といったことも一緒に話しておきます。写真をAIに使うときの考え方は「子どもの顔写真をAIサービスに使う前に」、作ったものをSNSに載せるときの考え方は「子どもとAIで作った絵、SNSに載せていい?」でまとめています。
ニセの画像で迷いやすいこと
AIの文章の答えも、同じように確かめる?
画像や動画と同じく、AIの文章の答えにも誤りが混ざることがあります。親子での確かめ方は「AIの答えは正しい?子どもと一緒に確かめる3つの方法」にまとめています。
子どもや家族がニセの画像で傷つけられたら?
総務省の保護者向け資料では、違法・有害情報や誹謗中傷の被害にあったときの相談先として、総務省の違法・有害情報相談センターや、セーファーインターネット協会の誹謗中傷ホットラインが紹介されています。学校に関わることは、学校にも相談します。
次にすることは、1つだけ。 次に子どもが「見て、すごい動画!」と言ったら、「これ、だれが出したんだろうね」と一緒に画面を見てみる。
