きょうだいや友達と絵を比べてしまう子ども|上手・下手が気になり始めたときの声かけ
きょうだいやお友達と自分の絵を比べて落ち込む子どもに、親がどう声をかければいいかを紹介します。発達段階の違いと、上手さ以外に目を向ける具体的な言葉を確認できます。
「お兄ちゃんの方が上手」「お友達みたいに描けない」。きょうだいや周りの子と比べて、子ども自身が絵を気にし始めることがあります。そんなとき、親がどう受け止めればいいかを考える記事です。
比べたくなるのは、絵が「上手」に見えてくる時期だから
サクラクレパスが公開している舟井賀世子先生の解説によると、4歳ごろは形をはっきり描けることがうれしくなり、5〜6歳になると「りんごは赤、葉っぱは緑」のように色と形を対応させて描けるようになっていきます。
- 年齢によって、描き方の段階そのものが違う。 きょうだいや歳の近いお友達でも、発達の進み方には個人差があります。
- 色を対応させて描けるのは、6歳ごろに完成する力。 まだの子が「下手」なわけではありません。
- 「うまく描けた」と感じ始めるのは、比べる目が育ってきた証拠。 気にすること自体は、成長の一部です。
比べる気持ちが出てくること自体は自然です。まわりと違うことを、親まで「劣っている」と受け取らないことが、まず大切な視点になります。
声をかけるなら、上手さより「気づいたこと」を
同じ解説では、養育者は子どもの絵にテクニックを求めて出来・不出来を見るのではなく、絵から子どもの心を見ることがすすめられています。上手・下手のものさしは一度わきに置いて、絵の中の様子に目を向けてみます。
- 「上手だね」ではなく「赤と青、たくさん使ったね」。 色や形など、実際に見えたことを伝えます。
- 「どうしてこう描いたの?」と聞いてみる。 説明したがらない日は、聞かずに見ているだけでも十分です。
- きょうだいの絵を並べて評価しない。 見せ合うのは楽しい時間にとどめ、優劣をつける場にしません。
今日は、ひとこと感想を伝えるだけでも十分です。 「上手」の代わりに、目に入った色や形を口にしてみましょう。
きょうだいで描くときに、工夫できること
比べる気持ちが強く出やすいのは、同じ場所・同じタイミングで描いているときです。少し工夫するだけで、意識しにくくなる場合があります。
- 描く時間や場所を少しずらす。 完全に分けなくても、始めるタイミングが違うだけで気になりにくくなります。
- 見せ合うタイミングを子どもに任せる。 「見せたい」と思ったときだけ見せ合うようにします。
- それぞれの絵を、別々に飾る・残す。 隣に並べて優劣を比べる形にしない残し方を選びます。
年齢が近いきょうだいほど、上の子に合わせようとしたり、逆に上の子が張り合ったりすることがあります。どちらの気持ちも否定せず、「今のあなたの絵」を見ていることを伝えるくらいで十分です。
「下手」と言われて描かなくなったときは
比べられて落ち込んだ様子があっても、無理に励ましたり、上手に描く方法をすぐに教えたりする必要はありません。まずは、描くこと自体を嫌がっていないかを見てみます。
- 描くこと自体を嫌がる → 少し間をおく。 別の遊びに気持ちが向いているだけのこともあります。
- 上手に描きたい気持ちが強い → 一緒に描いてみる。 描き方を教えず、隣で自分も描いてみると、気負わず再開できることがあります。
- 特定の相手とだけ比べてしまう → その場面を少し離す。 比べる相手がいない時間に、好きに描ける機会をつくります。
よくある疑問
上の子と同じ年齢のときの絵と比べてもいい?
比べる相手が「今のきょうだい」でなければ、気持ちが軽くなることもあります。ただし、過去の兄姉の絵と比べて「あの子はもうできていた」と伝えるのは避け、今のその子の絵として見るようにします。
絵の教室に通わせた方がいい?
比べて落ち込んでいるからといって、すぐに習い事を検討する必要はありません。まずは家庭で、上手さ以外の声かけを試してみて、それでも本人が「もっと描き方を知りたい」と望む場合に選択肢の一つとして考える程度で十分です。
次にすることは、1つだけ。 次に絵を見せてくれたときは、上手・下手ではなく、目に入った色や形を口に出してみましょう。
