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顔から手足が生えた絵(頭足人)|体がないのは変?発達の自然な段階

子どもの絵で顔から直接手足が生えている「頭足人」。体がないことが気になったときに、発達のなかでの意味と、直さずに寄り添う声かけの工夫を紹介します。

つくりこ編集部公開
頭足人の絵と、少し体が加わった絵を見比べるつくりこ
この記事の目次
  1. 頭足人は、いつ頃・なぜ描かれる?
  2. この先、絵はどう変わっていく?
  3. どう声をかける?「直す」より「気づきを伝える」
  4. 気になるときは、どう考える?
  5. よくある疑問

子どもが描いた絵をふと見たら、顔から直接、手と足が生えている。体がない。「うちの子、体の描き方がわかっていないのかな」と、少し気になったことはありませんか。

先に答えを伝えます。顔から手足が生えたように見える絵は「頭足人(とうそくじん)」と呼ばれ、世界中の子どもに共通して見られる、発達のなかの自然な段階です。体が「ない」のではなく、その子にとって顔がいちばん大事な部分として認識されている表れだと考えられています。

頭足人は、いつ頃・なぜ描かれる?

2〜5歳ごろによく見られる表現で、発達の遅れのサインではありません。子どもが「顔を、体も含めたその人全部」として捉えていることの表れだと考えられています。

サクラクレパスの解説によれば、頭足人は4〜5歳頃に見られる、世界共通の発達段階の表現です。ベネッセ教育情報サイトの解説でも、2〜4歳ごろの幼児によく見られ、文化に関係なく世界中の子どもが共通して描くとされています。年齢の目安には幅がありますが、共通しているのは「体がないのはおかしい」と捉える必要はない、という点です。

手や足が描かれるのは、日常生活のなかでよく動かす部分だからだと考えられています。手足を描き始めたこと自体が、「人には手足がある」と理解し始めたサインでもあります。

この先、絵はどう変わっていく?

多くの場合、3歳ごろに直線の手足が加わり、4〜6歳ごろにかけて胴体・肩・首が少しずつ描かれるようになっていきます。

絵の発達には、ある程度共通した順番があるとされています。頭足人より前の、点や線から始まる時期については「なぐりがきはいつから?」にまとめています。

  1. 直線の手足が加わる。 3歳ごろから、丸い顔に、まっすぐな線で手足が描き足されることがあります。
  2. 胴体が描かれ始める。 4〜6歳ごろにかけて、顔とは別に体の部分が描かれるようになっていきます。
  3. 肩や首がつながる。 体の部位どうしのつながりが、少しずつ絵の中で表現されていきます。

進むペースには個人差があります。「もう5歳なのに」と急かす必要はなく、今描いているものが、その子なりの今の表現だと捉えて大丈夫です。

画用紙に頭足人を描くつくりこと、隣で見守る大人
顔から手足が生えたこの絵も、いまのその子の見え方です。

今日は、ここまででも。 「体も描いてみたら?」と誘わなくても大丈夫です。今日描いた1枚を、そのまま受け止めるところから始められます。

どう声をかける?「直す」より「気づきを伝える」

「体がないよ」と直すより、描かれているものに気づいたことを、そのまま言葉にして伝える声かけがすすめられています。

  • 「これは手を描いてくれたんだね」と、描かれているものに気づきを伝える。 足りない部分の指摘より、描けている部分への気づきが先です。
  • 「これは何かな?」と、子どものイメージを聞いてみる。 大人には体がないように見えても、子どもの中にはその子なりの世界があります。
  • 「前より手が増えたね」など、変化を認める。 昨日・先週の絵と比べて、できるようになったことを具体的に伝えます。

サクラクレパスの解説でも、「そうなの?知らなかった。じゃあ一緒に描いてみようか」というように、子どもに寄り添う言葉かけがすすめられています。「体も描かないと」と直接教えるよりも、子どもの発見や気持ちに関心を向ける方が、次も描きたい気持ちにつながりやすいとされています。

気になるときは、どう考える?

多くは発達のなかの自然な段階ですが、年齢が上がっても大きく変化が見られない、他の育ちの面でも気になることが重なる場合は、自己判断で抱え込まず、園や自治体の相談窓口に聞いてみる選択もあります。

絵の特徴だけで発達を判断することは難しいとされています。頭足人自体は多くの子どもに見られる自然な表現ですが、言葉の育ちや対人関係など、他の面でも気になることが重なっている場合は、一人で悩まず、通っている園の先生や、自治体の子育て相談窓口に相談する方法もあります。絵はあくまで、その子を知るための手がかりの1つです。

次にすることは、1つだけ。 次に絵を見せてくれたときは、「これは何?」と聞いてみるところから。直すより先に、その子の説明を聞いてみませんか。

よくある疑問

頭足人のあと、次はどんな絵になる?

個人差はありますが、胴体・肩・首が少しずつ加わり、色と形を対応させて描く(りんごは赤、葉は緑など)段階へと進んでいくとされています。無理に次の段階へ誘導する必要はなく、今の絵をそのまま楽しむことが、次の表現につながっていきます。

きょうだいで発達のペースが違うけれど大丈夫?

絵の発達のペースには個人差があります。上の子と比べて「遅い」と感じても、それだけで判断できることではありません。今のその子が描いているものを、そのまま受け止めることが、次への意欲につながります。

出典・参考情報

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